もう7月も終わりかけ。いかがお過ごしでしょうか。
よく分からないうちに梅雨が明け、最近はめっきり暑くなってきてしまいました、、、
万年出不精の私としては、大学に行くだけでもヘロヘロです。
本日は、そんな7月に読んだ本をご紹介します。
思い出したい
食べることがだーいすきな私。
苦手な食べ物も少ないし、体型維持とかも気にしないタイプなので、幼い頃から祖母と母の美味しい手料理をバクバク食べて成長してきました。
が、しかし。
東京で1人で暮らすようになって、今まで親が払ってくれていた「食費」が全負担に。
料理はやろうと思えばできる程度でしたが、暮らし始めたところが寮だったのでキッチン&冷蔵庫は6人共有。食材や作り置きを溜めて置けるスペースはほとんどなく、、、、
それに加えて、推しグッズを買うための費用を捻出すべく食費を削るようになってからは、
米と乾麺を大量常備し、簡単アレンジして食べる日々になりました。
たまに外食に行っても、コスパ重視の私は低価格でお腹いっぱいになるサイゼリヤやマクドナルドがほとんど。
あんなに食べることが好きで幸せだったのに、この3年で食事が義務化してきていることにハッと気づいてしまったんですよね。
ミニマリスト思考を知り、お金の使い方を見直しました。その上で、私の幸せってなんだろうって考えたんです。それで、1番最初に思いついたのが、「食べること」でした。
まあでも、心とお金に余裕ができたとはいえ、急に食費に金を注ぎ込むことなんてできるわけなく。
読んだ本に影響されやすいことで有名な私は、美味しいものが出てくる小説を読んで、食べることへの情熱を思い出そう!!と思いました。我ながら、単純な考え。
そんなこんなで、美味しいものが出てくる小説を読み漁ることにしたわけです。
7月に読んだ美味しいものが出てくる本
私が今回読んだのは、この3冊。
・沖田円 『丘の上の洋食屋オリオン』(角川文庫、2024年)既刊2巻
・内山純 『魔女たちのアフタヌーンティー』(角川文庫、2024年)
・内山純 『あなたのためのショコラショー』(角川文庫、2024年)

結論から言うと、情熱、思い出しました。
バリバリ影響されてます。
この3冊は、完全なるタイトル買い。
ふらふら〜っと書店を覗いたら置いてあって、なんか美味しそう!!の直感で購入。
ちなみにこの3冊、角川文庫の中の「角川ごちそう文庫」という新シリーズ?から刊行されたものらしく、調べてみると他にも美味しそうなものが出てくる小説が出ているらしい。
ちゃっかりチェックして次の購入リストにインしました。
こうやってジャンルごとに固まっているのは、同じようなジャンルの本を読み漁りたい人にはうってつけ。私も、どちらかというとオールジャンル読者ではなく、読むジャンルが固まっている方なので探すのが楽でありがたかった、、、!!
これから角川ごちそう文庫の新刊情報は逐一チェックするようにしよう。
沖田円『丘の上の洋食屋オリオン』
このお店の味が食べたくて、普通の日も特別な日も食べたくなる〈洋食屋オリオン〉。両親を失った少女と叔父の心をつなぐトマトソースオムライス。キャバクラでナンバーワンの女性がすの自分に戻るためのカルボナーラ。高校時代、友人と夢を語りながら食べた煮込みハンバーグ。シェフのくるみが作る料理は、祖母から受け継いだ味を守りながら、今日も常連客たちを温かい幸せで満たす。人生のほろ苦さと喜びを丁寧に紡ぐ物語。
晴ヶ丘5丁目にある、こじんまりとした洋食屋オリオン。3年前に祖母から店を引き継いたシェフのくるみさんと、フロアスタッフ兼パティシエの真湖さん、アルバイトの蒼くん、そして看板店員の黒猫のネロで営む、地元で長く愛されるお店。どこにでもあるような洋食屋ではあるけれど、でも無性にここの料理が食べたくなる時がある。
この小説は、短編集になっていて、オリオンの料理を心の支えにしていたり、人生の転機のそばにオリオンの料理があったりした人たちの物語が紡がれていきます。
オリオンの料理が誰かの何かを変える!みたいな劇的な変化があるわけじゃない。けれど、人生の1コマに優しく寄り添ってくれるような、ゆっくり自分のことを見つめ直せるような、そんな温かさがオリオンの料理にはあります。
このお話を読んで、あっけなくこんな感じの洋食屋さんに行きてえ〜〜〜〜〜!!となった私は、その足で行ってきました。昔ながらの洋食屋さん。
1人で乗り込み、大好きなオムライスとクリームソーダをほくほくしながら堪能してきました。
本格的な洋食屋さんって初めてだったのですが、落ち着いた雰囲気も相まってだいぶ心が浄化されました。今度は誰かとゆっくり行きたいですね
内山純『魔女たちのアフタヌーンティー』
魔女が住んでいると噂される白金台の大きなお屋敷。黒い服に身を包む女主人のお茶会は、型にとらわれず自由で楽しい。丁寧にいれた香り高い紅茶と宝石のようなティーフーズも素敵だが、アイスティーと芋けんぴの相性も抜群だ。仕事も恋もうまくいかず、鬱憤としていた真希は、お茶の奥深さを知り、さまざまな年代のゲストの悩みを聞くうちに自分自身と向き合っていく
ちょっと不器用な人々のつながりを描く心満たされる物語。
不動産会社で、バリバリの営業マンとして働いていた真希は、ある失敗を犯し左遷寸前。巻き返しを狙うため、今まで数多の営業マンたちが苦戦してきた「プラチナの魔女」が暮らすお屋敷に狙いを定める。周囲を窺っていたある日、ひょんなことからその「プラチナの魔女」が主催するお茶会に参加することに。お茶会に集まるさまざまな年代、境遇の人たちとお茶を楽しむようになってから、真希も少しずつ自分の内面について見つめ直すようになっていきます。
所々に散らばるアフタヌーンティーの雑学を拾い集めていくうちにきっとアフタヌーンティーをしたくなる。章あたまに記されるアフタヌーンティーに関する名言も心に沁みる、そんな1冊です。
もちろん、とても今、アフタヌーンティーがしたくなっています。
まあ色々考えて、それは難しいので、ひとまず家にあったイエローラベルの紅茶を1人で飲みました。
私はもともと、色々なことを同時にするのが苦手。そのため、飲み物を作るときや飲むときは割とそれしかせずにぼーっと眺めてたり味わったりします。心と体に染み渡っていく様子を感じながら、のんびりする時間って格別ですよね。
だけど、私にとってそれは無意識。今回、この本を読んでそういえば私、飲み物を飲みながらゆっくりすることって多かったなと思ったんです。まあ、最近まで紅茶が飲めなかったので、飲み物はもっぱらキャラもののコップにいれた麦茶だったんですけどね。
行き詰まったとき、焦ったとき、ちょっと立ち止まってゆっくりする時間を作ること、これから意識していきたいです。そのために、お気に入りのコップと紅茶があればいいな、なんて考えて、今探し中だったりします。余裕ができたらティーフーズも探したいなあ
内山純『あなたのためのショコラショー』
40歳を機に仕事復帰することになった八重樫靖羽。家族は応援してくれるが、現実は甘くない。職場で緊張をほぐすチョコクッキー。思春期の娘の心に寄り添うホットチョコレート。娘の受験と介護に追い詰められたママ友に手作りのチョコパイ。自在に形を変え、進化してきたチョコレートの歴史を知った靖羽は、自分自身と向き合い始める。
何歳でも新しい一歩を踏み出せるし、もっと自由に羽ばたける。
美味しくて勇気をもらえる物語。
偶然知り合った女性から、「千代子・レイド財団」への就職を勧められた靖羽は、思い切って快諾し、働き始めることに。家族のこと、職場のこと、人間関係のこと、そして自分のこと。目まぐるしい毎日の中、靖羽のそばにはいつもチョコレートあり!
靖羽も、夫も、娘2人も大のチョコレート好き。次女の自由研究のおかげで、チョコレートの雑学もたくさん。
人は、何か1つでもお守りになるものがあれば、どんなことでも乗り越えて羽ばたいていける、そんな勇気がもらえる一冊です。
チョコレートが!!!食べたい!!!!!
そういえば私、久しく食べていません。ちゃんとした純チョコレートを。
コスパ重視なので、チョコレートってお腹に溜まりにくいのでお金を出しにくいんですよね。
数粒じゃ足りないので、結局1度に1箱食べきっちゃうこともザラにあって余計にお高いチョコレートが食べたくても躊躇しちゃうというか、、、
食を楽しむ情熱を思い出し、心とお金に余裕が出てきた今ならなんだかゆっくりお高いチョコレートも味わえそうな気分。今度実家に帰る際にお土産で買っていこうか悩み中です。
もう1つ、チョコレートについて詳しくなれて食べたくなる以外にもこの本のおすすめポイントがあります。それが、主人公靖羽の考え方。
自分の意見と相手の意見が違ったときに折り合いをつけ合わないといけないときに相手に遠慮してしまったり、相手から感情を押し付けられて勢いに飲まれそうになったりすることも。そんなとき、靖羽は、心の中で『そうきたか』と唱えるという。
「話の内容だけ『受け』て、相手の感情は『受け止めない』で横に流す。押し寄せてくる感情に対してバリアを張る」
人はみんな人ぞれぞれ違う環境で違う感情を持っているから、全部が全部共感できるわけじゃないですよね。私は、自分で言うのもなんですがだいぶ聞き上手なタイプで、友達からいろんな相談だったり愚痴だったりを聞かされます。嫌なわけではないし、友達の役に立ちたいので毎回ちゃんと聞いてるのですが、時々それはお前さんが間違ってるんじゃねえのか、、?みたいな時とか、いやまたその話かい!みたいな時もあったりしてぐったりするときもあります。ただの吐け口じゃなくて有能な話し相手でいたいので、思ったことは相手にちゃんと伝えたい。違うことは違うし、進展のない同じ話は蹴飛ばしたい。真剣に受け止めすぎると私まで壊れてしまうので、この靖羽のマインドがだいぶ刺さってしまいまして、、、、、。これから、『そうきたか』で交わしていきたいですね。
終わりに
今月読んできたこの3冊は、いずれも美味しいものがキーパーソンではありつつも主役ではないんですよね。それぞれの人生があって、その人生のそばに美味しいものがそっと寄り添っている。何を言うでもなく、でも近くにいてくれる、そんな1番の味方。
私も、そんな味方をこれからちょっとづつ探していけたらなと思いました。
狙った通り、食べることへの情熱を思い出したので、美味しいもの開拓していきます!!